事業概要

文部科学省「世界で活躍できる研究者戦略育成事業」では、我が国の研究生産性の向上を図るため、国内の研究者育成の優良事例に海外の先進事例の知見を取り入れ、世界トップクラスの研究者育成に向けたプログラムを開発し、世界のトップジャーナルへの論文掲載や海外の研究費獲得等に向けた支援体制など、研究室単位ではなく組織的な研究者育成システムを構築し、優れた研究者の戦略的育成を推進する大学・研究機関を支援することを目的としています。

「学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ(TI-FRIS: Tohoku Initiative for Fostering Global Researchers for Interdisciplinary Sciences) 」は、令和2年度に世界で活躍できる研究者戦略育成事業に採択されました。TI-FRISは、東北大学を代表機関として、東北地域の弘前大学、岩手大学、秋田大学、山形大学、福島大学、宮城教育大学、および三菱総合研究所がコンソーシアムを形成し、国内外の連携研究機関や連携企業の協力を得ながら、学際性、国際性、および社会性を兼ね備えた世界トップクラス研究者を育成するために、東北地域全体をカバーする新たな研究者育成プログラムを構築し、その有効性を実証していきます。

  • 学際性:異分野の研究者と学際研究を展開できる力
  • 国際性:世界の研究者と切磋琢磨して研究を推進する力
  • 社会性:社会と連携して研究成果を社会実装できる力

あいさつ

■ プログラムマネージャー

早瀬 敏幸

東北大学

学際科学フロンティア研究所長

東北地域には、少子高齢化、災害復興、グリーンエネルギーなど、様々な課題があります。これらは、SDGsにも深く関連した、世界共通の、人類の未来に関わる課題です。東北地域の国立7大学は、これらの諸課題に関連した独自の研究に強みを持ち、これまで教育・研究のあらゆる面で連携実績を有しており、強固な体制を構築しています。TI-FRISは、これらの課題解決の鍵となる、世界で活躍できる研究者として、それぞれの専門分野で世界を先導しつつ、異分野の研究者と学際研究を展開できる力(学際性)、世界の研究者と切磋琢磨して研究を推進する力(国際性)、および社会と連携して研究成果を社会実装できる力(社会性)を兼ね備えた研究者の育成を目標としています。TI-FRISでは、学際融合研究をベースとした研究者育成に取り組んできた東北大学を代表機関として、それぞれ独自の研究の強みを有する東北地域の弘前大学、岩手大学、秋田大学、山形大学、福島大学、宮城教育大学、および三菱総合研究所がコンソーシアムを形成し、それぞれの強みや独自の特徴的な取り組みを活かしたプログラムを展開します。国内外の連携研究機関や連携企業の協力を得ながら、学際研究者交流、国際共同研究、研究社会実装のプログラム群と、ベースとなるトランスファラブルスキル修得プログラムを提供します。これらにより、研究者の内発的な成長に向けて柔軟に対応・支援し、ダイバーシティを重視した挑戦的創造の場を構築します。本プログラムを通して、将来、学際研究者コミュニティーのリーダーとして、国際共同研究プロジェクトや研究成果の社会実装プロジェクトを牽引する研究者の育成を目指します。

 
■ 参画機関代表者

小谷 元子

代表機関 実施責任者

東北大学

理事・副学長(研究担当)

本プログラムの代表機関である東北大学では、高等研究機構を設置して世界最高の研究成果及び既存の学問領域を超えた新しい学術分野の創出と世界をリードする横断的分野融合研究を推進するとともに、次代を担う若手研究者が野心的な研究に挑戦することを応援しています。高等研究機構の研究組織の一つである学際科学フロンティア研究所は、全学問領域において、優秀な若手研究者が独立した研究環境での研究の推進と学際的な研究者交流により科学のフロンティア形成を目ざす横断的研究組織です。本事業では、学際融合研究を推進する学際科学フロンティア研究所の取り組みやノウハウを本プログラムの参画機関全体に展開すると同時に、参画機関がそれぞれ持つ強みを共有し全国のモデルとなるプログラムを開発します。国内外の研究機関や企業と連携を通じて、専門分野において世界を先導しつつ、異分野の研究者と学際研究を展開できる力(学際性)、世界の研究者と切磋琢磨して研究を推進する力(国際性)、および社会と連携して研究成果を社会実装できる力(社会性)を兼ね備えた世界トップクラス研究者を育成いたします。

若林 孝一

共同実施機関 実施責任者

弘前大学

理事(研究担当)・副学長

本プログラムに参画する弘前大学では、年俸制、テニュアトラック制、クロスアポイントメント制度を導入しているほか、研究者育成に資する取組として、「研究者海外派遣支援事業」及び「国際研究拠点形成支援事業」等で、国際的な研究者間の交流、若手研究者のネットワーク形成を推進しています。優れた中堅・若手教員を海外の大学・研究機関に派遣し、共同研究等の機会を提供することにより、当該分野における将来的な国際研究交流拠点の構築に資するための支援を行うものです。さらに、全学で統一的な評価基準を設け、教員同士のピア・レビューを実施し、国際的な評価項目の設定や配点を高める等、国際通用性を見据えた人事評価を制度化しています。

また、本学は、福島県立医科大学、富士電機株式会社、インタープロテイン株式会社などの研究機関や企業と連携して、本プログラムを推進します。

これらの若手研究者育成や評価システム、外部機関との連携の実績を参画機関全体に展開して、学際性、国際性、社会性を兼ね備えた世界トップクラスの研究者を育成するシステムの構築を目指します。

水野 雅裕

共同実施機関 実施責任者

岩手大学

理事(研究・産学連携・地域創生担当)・副学長

本プログラムに参画する岩手大学では、異分野融合研究の推進を支援する研究力強化支援経費、国際研究者間のネットワーク構築と研究マネジメント力の向上および国際的な連携による共同研究の展開の核となる人材育成などを目的として若手・中堅教員の海外における研究を支援する教員長期海外渡航支援経費、国際学会・国際シンポジウムで発表する教員を支援(39歳以下を優先して支援)する教員海外渡航支援経費、国際共同研究や国際共著論文発表を支援する海外共同研究員招へい支援経費、国際学術雑誌掲載支援経費、大学院生等海外研究発表渡航支援経費などの研究支援経費を設け、研究力向上とグローバル化の推進および次代を担う研究者の育成に注力しています。

また、本学は、Lund University、エナジーサポート株式会社などの研究機関や企業と連携して、本プログラムを推進します。

これらの若手研究者育成や評価システム、外部機関との連携の実績を参画機関全体に展開して、学際性、国際性、社会性を兼ね備えた世界トップクラスの研究者を育成するシステムの構築を目指します。

倉林 徹

共同実施機関 実施責任者

秋田大学

理事(研究・地方創生・広報担当)

本プログラムに参画する秋田大学では、研究者海外派遣事業や、若手研究者が中心的役割を担う研究プロジェクト強化支援事業などの研究支援策を実施するとともに、年俸制、テニュアトラック制度、クロスアポイントメント制度を導入・実施し、若手教員の積極的な採用に取り組んでいます。人事評価制度においても、平成30年度から新たに実施している全学共通の教員活動評価の評価項目に国際的活動領域を設定し、国際プロジェクトの件数等を実績として評価を行っています。

また、本学は、国立研究開発法人国立長寿医療研究センター、石油資源開発株式会社、Stanford Universityなど、本学の特徴的な研究である資源学や高齢者研究の関係研究機関や企業と連携して、本プログラムを推進します。

これらの若手研究者育成や評価システム、外部機関との連携の実績を参画機関全体に展開して、学際性、国際性、社会性を兼ね備えた世界トップクラスの研究者を育成するシステムの構築を目指します。

飯塚 博

共同実施機関 実施責任者

山形大学

理事(研究、社会連携、知的財産担当)・副学長

本プログラムに参画する山形大学では、年俸制の導入、テニュアトラック制の導入、クロスアポイントメント制度の導入を既に実施しており、加えて、研究者の育成に関わる独自の取組としては、「科研費ステップアップ支援制度」や「科研費に関する若手教員助成制度」による研究費の支援等を行っています。また、学部間の垣根を越えたYU-COE(山形大学先進的研究拠点)を形成し、本学の強みを更に強化するための研究拠点支援、今後大きく育って本学の強みになるような研究拠点の支援、及び若手研究者を対象とした独創的な研究活動の支援を行っています。

本事業の実施にあたり本学では、Simon Freser University、Johns Hopkins University、三菱ケミカル株式会社などの外部機関と連携して、本プログラムを推進します。

これらの研究者支援制度や外部機関との連携の実績を参画機関全体に展開して、学際性、国際性、社会性を兼ね備えた世界トップクラスの研究者を育成するシステムの構築を目指します。

二見 亮弘

共同実施機関 実施責任者

福島大学

理事・副学長(研究・地域連携担当)

本プログラムに参画する福島大学では、組織としては、従来から教育組織(学類・コース)と研究組織(学系)とに分離され、学系については、各教員の日常的な研究の基盤組織であるとともに、複数学系の連携や他大学との研究協力、地域社会のニーズを踏まえた研究プロジェクトを通じて、研究者の育成を実施し、研究水準の維持・向上を目指しています。学系における研究プロジェクトなどの活動は、学内競争的研究資金による外部の競争的研究資金の獲得から論文作成につながるサイクルを制度化しています。また、学長のリーダーシップによる「foRプロジェクト」を設立し、福島県の地域課題解決や国として重要な研究を学内競争的研究経費として公募し、学内の研究資金の競争化に努めています。また、法人化から進めている内外地研究員制度については、直近10年間で外地研究は15名および内地研究は5名が派遣され、派遣先の研究機関の研究員との交流による研究が順調に進んでいます。

これらの若手研究者育成システムに加えて、本プログラムによる人材育成を推進し、学際性、国際性、社会性を兼ね備えた世界トップクラスの研究者を育成いたします。

前田 順一

共同実施機関 実施責任者

宮城教育大学

総務担当理事・副学長

本プログラムに参画する宮城教育大学は、教育学を柱として世界に通じる研究に強みを有し、独自の研究者支援の取り組みや教育関係諸機関を中心に連携活動に実績を積み上げてきました。また、教員養成大学としての強みを活かした研究や、外部資金の獲得を目指す研究等を重点的に支援する「宮城教育大学における研究活動の支援の基本方針」を策定するとともに、「科研費採択結果に応じた加配」の実施、科研費ピア・レビューの実施、教員養成大学ならではの学校教育・教員養成に関する研究への重点支援研究経費の新設、附属学校における「大学と附属学校との合同・共同研究室」の設置、40 歳未満の新規採用教員に対する研究費の加配やメンター教員による支援などを行う「宮城教育大学における教員養成大学ならではの若手研究者の支援方策~わかばあおば育成プラン~」を策定するなど、外部資金獲得を見据えた研究支援体制を整備しています。

これらの研究者支援制度や教員評価システムの実績を参画機関全体に展開して、学際性、国際性、社会性を兼ね備えた世界トップクラスの研究者を育成するシステムの構築を目指します。

大石 善啓

共同実施機関 実施責任者

株式会社三菱総合研究所

シンクタンク部門長 常務研究理事

本プログラムに参画する株式会社三菱総合研究所は、社会課題を解決し、豊かで持続可能な未来を共創することを使命としています。従来の研究・提言に留まらず、研究成果等を社会実装することまで踏み込んだ事業展開を進めており、その一環として、研究・技術開発の成果を社会課題の解決や未来社会の実現に結び付ける「社会実装論」の研究を行っています。具体的には、社会実装に関わる理論・方法論を体系化するとともに、内外の成功・失敗事例の収集・分析を通じて、研究成果等の社会実装への手引きの作成を進めています。また、三菱総合研究所では、社会実装に向けて、国内外のアカデミアを含む多くのステイクホルダーとの各種のネットワーク構築を進めています。さらに、環境・経済・社会側面の制約を踏まえた「産業・社会活動を持続させる能力」の強化に向けて、環境・サステナビリティ経営戦略の立案支援、ESGリスクコンサルティング、ESGやSDGs起点での新規ビジネスコンサルティングなども行っています。これらの取り組みをプロジェクトに紹介するとともに、参加機関との意見交換などを通じて、研究成果の社会実装(社会性)の理解を深め、加速させることに寄与したいと考えています。

運営体制

TI-FRIS事務局は代表機関である東北大学の学際科学フロンティア研究所に設置されています。プログラムマネージャーは本事業全体を統括し、全参画機関の委員からなるプログラム運営委員会は本事業の重要事項を審議します。アドバイザリーボードと外部評価委員会は外部有識者から構成されています。育成対象者の選考と評価は教員評価委員会が、また、事業の実施全般はプログラム開発ワーキンググループが担当します。国内メンターと国際メンターは育成対象者の支援を行います。TI-FRISではオンライン研究者交流・会議システムにより、研究者交流や全ての委員会の業務を効果的に実施できる環境を整備しています。

連携体制

TI-FRISでは、これまで教育・研究のあらゆる面で連携実績を有する東北地域の国立7大学と、国際的総合シンクタンクである三菱総合研究所が連携してコンソーシアムを形成し、国内外の連携研究機関・連携企業の協力のもと、各機関の強みを活かした取組の体制を構築して、研究者育成プログラムを実施します。また、東北地域をコアとして世界に広がる連携により、大きなダイバーシティをもつ挑戦的創造の場を構築します。

実施機関