藤田尚紀
- 所属大学
- 弘前大学
- 部局
- 医学研究科
- 職名
- 講師
- 関連領域
- 先端基礎科学
専門分野
糖鎖生物学、腫瘍学
研究キーワード
Glycobiology, Oncology
所属学会
日本泌尿器科学会
日本泌尿器内視鏡・ロボメティクス学会
日本内視鏡外科学会
日本癌治療学会
日本透析医学会
日本内分泌外科学会
日本内分泌学会
日本感染症学会
UTI共同研究会
日本血栓止血学会
日本抗加齢医学会
日本性機能学会
日本メンズヘルス医学会
日本排尿機能学会
日本移植学会
日本臨床腎移植学会
日本小児泌尿器科学会
多発性嚢胞腎協会
研究テーマ
免疫グロブリンN型糖鎖、TMEM2低分子化合物による敗血症性グリコカリックス傷害の新規治療薬の開発
研究概要
グリコカリックスは血管内皮細胞の血管内腔側を覆っており、敗血症ではこれが傷害されることで多臓器障害へと進展する。しかしながら、現在のところ血管内皮グリコカリックス傷害に対する治療薬は存在しない。免疫グロブリン上のN型糖鎖は様々な生物学的機能を持っており、免疫グロブリンの活性や動態に関わっている。我々は、免疫グロブリンN型糖鎖の中で二分岐アシアログリカン(G2)が敗血症性血管内皮グリコカリックス傷害に対して保護効果がある可能性を報告した。本研究では、G2リッチな免疫グロブリンを開発し、血管内皮グリコカリックス傷害に対する新規治療薬の開発を目指す。
ヒアルロン酸は細胞外マトリックスの主要な構成要素であり、血管内皮グリコカリックスの最外層を覆っている。我々の研究グループは、transmembrane protein 2(TMEM2)が細胞外高分子量ヒアルロン酸を分解するヒアルロニダーゼであり、主に血管内皮細胞に発現し、全身性のヒアルロン酸代謝において重要な役割を担っていることを証明した。また、TMEM2のコンディショナルノックアウトマウスでは、血管内皮細胞を覆うようにヒアルロン酸が蓄積することも明らかにした。そこで、ヒアルロン酸代謝は血管内皮グリコカリックス傷害において重要なプロセスであり、TMEM2阻害による血管内皮グリコカリックス上のヒアルロン酸の蓄積は血管内皮グリコカリックスを保護するのではないかと仮説を立てた。本研究では、TMEM2のヒアルロン酸代謝を阻害する低分子化合物を開発し、血管内皮グリコカリックス傷害の新規治療法の確立を目指す。