Xiangdan PIAO

所属大学
岩手大学
部局
人文社会科学部
職名
准教授
関連領域
人間・社会

専門分野

Environmental economics, Applied Economics, Subjective well-being

研究キーワード

Household Economics, Applied Econometrics, Environmental Economics

所属学会

日本経済学会 Japanese Economics Association
アメリカ経済学会 American Economic Association
Western Economic Association International
医療経済学会 Japan Health Economics Association

研究テーマ

家計部門における環境保全活動の促進が個人の幸福に与える影響及び温室ガスの削減効果

研究概要

 
現代社会では自然環境は急速に悪化しており、地球温暖化、生物多様性の喪失、大気汚染などによる脅威はかつてないほど深刻になっています。人間の経済的な活動は、地球温暖化などの自然問題の主な原因であると広く信じられています。これらを踏まえて、具体的には高等教育と経済成長及び環境問題との関係を経済学の手法を用いて、どのような対策と政策が必要とされているのかを明らかにします。経済発展によって環境問題が引き起こされた背景から、環境保全と経済発展を両立した持続可能な社会を実現するための研究をしています。
研究のひとつを紹介します。地球温暖化に代表される環境問題において、人間の活動は顕著な影響を及ぼしており、迅速な対策は持続可能な社会の実現に不可欠な要素です。しかし、環境配慮型行動に関する国際的な観点からの統計的な分析は少なく、持続可能な発展のために何らかのかたちで貢献できるようにと、以下のような研究を行いました。
個人の環境配慮型行動(寄付やボランティア活動)とポジティブ及びネガティブな感情との関係を調べました。環境保全への寄付(現金・物品)またはボランティア活動に従事する人は、ポジティブな感情を経験する割合が高く、ネガティブな感情を経験する割合が低いことがわかりました。同様に、中国、インド、米国、日本など37カ国中27カ国で、環境保全に対する現金寄付とポジティブな感情との間に正の相関があることが確認されました。つまり、国際機関において環境保全プログラムを確立することで、生物多様性などの非市場的な環境保全に貢献できるのではないかとの結論が得られました。
 
図:37ヶ国の持続可能な生活習慣のランキング 
注: チェコ(上位)を含む37ヶ国のランキングを時計回りの順に並べています