関 まどか
- 所属大学
- 岩手大学
- 部局
- 農学部
- 職名
- 准教授
- 関連領域
- 生命・環境
専門分野
獣医寄生虫学
研究キーワード
人獣共通感染症
寄生虫学
肝蛭
所属学会
日本寄生虫学会
日本熱帯医学会
日本獣医学会
World Association for the Advancement of Veterinary Parasitology (WAAVP)
研究室URL
研究テーマ
寄生虫症の診断・予防・治療法の開発
研究概要
肝蛭(かんてつ)症はWHOにより「顧みられない熱帯病」(Neglected Tropical Diseases: NTDs)に分類される人獣共通寄生虫症です。南極を除く全大陸の70ヵ国以上で人体症例が報告されており、日本国内でも毎年症例が発生しています。ウシの肝蛭症はと畜検査でモニタリングされ、北海道では本州よりも高い検出率が記録されてきました。北海道ではエゾシカが保有宿主となっていることが疑われたため、組換え抗原を用いたELISAを確立してエゾシカの疫学調査を実施しました。その結果、抗体陽性率は平均43.9%に達し、北海道は家畜やヒトへの伝播が危惧される肝蛭症の高度流行地であることが判明しました。
肝蛭症が畜産業に与える経済被害は世界的に年間32億ドル(約3,500億円)に上ると試算されています。一方、北海道では上記の通りエゾシカを原因としたウシへの伝播が間違いなく存在し、経済被害が懸念されるにも関わらず、診断ツールがないために、その現状が正確に把握できていません。そこで、本研究では組換え抗原を用いた抗体検査用ELISAのキット化を計画しています。本研究開発に供する組換え抗原によるELISAは、国内のヒト肝蛭症の診断においても感度100%、特異度99.3%を達成し、非常に優れた診断能を有します。日本だけでなく世界での人体肝蛭症の診断に対するニーズも非常に高いので、本研究開発は、将来的には人を対象とした体外診断キットの開発にも繋がり、大規模事業化が実現できると期待されています。
肝蛭症が畜産業に与える経済被害は世界的に年間32億ドル(約3,500億円)に上ると試算されています。一方、北海道では上記の通りエゾシカを原因としたウシへの伝播が間違いなく存在し、経済被害が懸念されるにも関わらず、診断ツールがないために、その現状が正確に把握できていません。そこで、本研究では組換え抗原を用いた抗体検査用ELISAのキット化を計画しています。本研究開発に供する組換え抗原によるELISAは、国内のヒト肝蛭症の診断においても感度100%、特異度99.3%を達成し、非常に優れた診断能を有します。日本だけでなく世界での人体肝蛭症の診断に対するニーズも非常に高いので、本研究開発は、将来的には人を対象とした体外診断キットの開発にも繋がり、大規模事業化が実現できると期待されています。