June 18, 2026

天文学新時代へ! 宇宙論的距離におけるマルチメッセンジャー天文学の新たな展開  ―重力レンズ効果が解き明かした、約110億年前の爆発的な星形成活動とニュートリノのつながり―(TI-FRISフェロー・木村成生准教授)

アルマ望遠鏡などを用いた観測により、高エネルギーニュートリノの到来方向に、約110億年前の宇宙に存在する極めて明るい銀河「シャドウ・ブラスター」(Shadow Blaster)が発見されました。さらに、複数の波長域による観測から、ブラックホール活動ではなく、星形成活動がニュートリノ放射に寄与していることも特定されました。まだ解明されていないニュートリノの起源にマルチメッセンジャー天文学で迫る、画期的な観測的証拠です。本研究チームには学際科学フロンティア研究所の木村成生准教授が参加しました。

本研究成果は、2026年6月17日に「Nature Astronomy」に掲載されました。

 
図:今回の発見の概念図。宇宙ニュートリノ事象「IC 210922A」の方向にある爆発的な星形成銀河「シャドウ・ブラスター」を、アルマ望遠鏡で捉えました(右下・四角で囲まれた電波画像)。ニュートリノ(ν)の起源である初期宇宙に存在するシャドウ・ブラスター(中央・丸で囲まれた想像図)が、重力レンズ効果によって4つの明るくなった像として観測されています。(クレジット:MITOS)
 

論文情報:

タイトル:Compact dusty starbursts at cosmic noon linked to high-energy neutrinos

著者:Yuji Urata*, Kuiyun Huang*, Bunyo Hatsukade, Mansi Kasliwal, Shigeo, S. Kimura, Yuichi Matsuda, Yusuke Miyamoto, Hiroshi Nagai, Kouichiro Nakanishi, Robert Stein

*責任著者

掲載誌:Nature Astronomy

 10.1038/s41550-026-02884-9

https://www.nature.com/articles/s41550-026-02884-9