西山 正吾

所属大学
宮城教育大学
部局
教育学部
職名
准教授
関連領域
先端基礎科学

専門分野

観測天⽂学

研究キーワード

赤外線天文学
ブラックホール
天体の分光観測

所属学会

日本物理学会
日本天文学会

研究テーマ

赤外線による銀河系中心領域の観測的研究

研究概要

 子供の頃から、星の輝く夜空に魅了されてきました。今は、星や星団、銀河やブラックホールの観測を通して、宇宙の謎を解き明かしたいと考えています。星や銀河、ブラックホールはどうやってできたのだろう。どのように進化してきたのだろう。そして、これらの誕生や進化を支配する法則はどのようなものだろうか。
 私の観測対象は、天の川銀河の中心領域です。そこには、巨大ブラックホールや星団、そして無数の星が存在しています。しかしそれらの天体を、私たちの目で見える可視光で観測することはできません。宇宙空間に漂う塵(宇宙塵)が光を遮るからです。そこで私の研究では、赤外線で観測されたデータを用います。可視光と比較すると、赤外線は100万倍以上も私たちに届きやすい光です。赤外線で取得した写真や天体のスペクトルを使って、その空間分布や運動状態、星の組成などを調べます。
 近年は、天の川銀河の中心にある巨大ブラックホールを周回する星の研究に力を注いできました(図1)。ブラックホールを周回する星の軌道も、太陽系にある惑星と同様に楕円形です。ですがブラックホールによる重力が非常に強いため、その軌道は、ニュートンの重力の法則が予想するような単純な楕円形ではありません。私たちは、アメリカなどの国際的な観測グループと協力し、ブラックホールを周回する星の運動は、アインシュタインの一般相対性理論によってうまく説明できることを示しました(Do et al. 2019, Science)。
図1. 1995年から2018年の、巨大ブラックホールを周回する星の軌道 (Do et al. 2019)。