川島由依

所属大学
東北大学
部局
学際科学フロンティア研究所
職名
助教
関連領域
先端基礎科学

専門分野

惑星科学

研究キーワード

系外惑星
大気
褐色矮星

所属学会

日本天文学会
日本惑星科学会
日本地球惑星科学連合

研究テーマ

惑星質量天体がもつ大気の物理・化学・進化過程の統一的な理解

研究概要

1995年に太陽以外の恒星周りを回る惑星である「系外惑星」が初めて発見されました。現在では発見された系外惑星の数は5000個にも及び、太陽系の外においても惑星は普遍的に存在することが明らかとなりました。発見された惑星に対し、望遠鏡を用いた大気のスペクトル観測を行えば、温度構造や化学組成、雲の存在といった大気の物理・化学的特性を解明することができます。これらの情報は惑星の内部構造や起源、ハビタビリティ(生命の存在可能性)を理解する手掛かりともなっています。
 観測が可能な上述の大気の特性は、熱収支や化学反応、熱進化などの大気の様々な物理・化学・進化過程が複数のパラメータ(大気の温度や主成分、重力、中心星からの紫外線照射強度など)に依存し、相互に複雑に絡み合って決定されています。そのため、その複雑な依存性を解きほぐし背後にある大気プロセスを総合的に解明するには、温度や主成分などが異なる様々な大気の物理・化学的特性を系統的に観測し、広いパラメータ空間で観測された特性を説明できる大気モデルを構築する必要があります。そこで私は、系外惑星と相補的なパラメータ空間を占めつつ観測精度も良い褐色矮星(惑星と恒星の中間質量天体)と太陽系内の惑星にも着目しました。これまで三者三様、独立に研究がなされてきたともいえる系外惑星と褐色矮星、太陽系内の惑星を融合し、同じ枠組みで考えることで、私はそれらの惑星質量天体に共通する大気の物理・化学・進化過程を統一的に理解することを目指しています。