鬼沢 直哉

所属大学
東北大学
部局
電気通信研究所
職名
准教授
関連領域
情報・システム

専門分野

計算機システム

研究キーワード

計算機科学
ニューラルネットワーク
シミュレーテッドアニーリング

所属学会

IEEE
電子情報通信学会

研究テーマ

インバーティブルロジックに基づく新概念コンピューティング

研究概要

 本研究は、現在のコンピュータでは実現が困難な「双方向計算」を可能にするインバーティブルロジックの確立とその応用展開を目的とします。現在の計算技術では実現が困難な「出力から入力方向の逆方向計算」を含む双方向計算が実現がされることで、暗号化技術と密接な関係のある素因数分解処理や人工知能の基盤であるニューラルネットワーク(NN)の学習処理を高効率に実現できる可能性があります。これまでの研究成果として小規模なNNの学習処理において、従来学習手法と比較して3桁程度の消費電力及び学習時間の削減に成功しています。この手法が実用規模のNN学習処理に展開できれば、現在数MW以上の電力を消費するクラウド上の学習処理の大幅な省エネギー化が期待されるだけでなく、クラウドを用いないIoT・エッジ側での学習も可能になります。クラウド不要なエッジ側での学習は、ネットワークインフラなどの整っていない場所への人工知能の応用やセキュリティーの面でクラウドとのデータ通信が問題となる医療応用など、超スマート社会を支える基盤技術として期待されます。さらに、インバーティブルロジックの基盤技術を応用することで、様々な社会問題を高速に解決可能なアニーリングマシンも実現可能であり、人工知能分野のみならず幅広い分野での応用展開・社会実装を目指します。