光は高速・低損失という性質を持ち、情報通信に使われてきました。このような特徴から、光を情報処理デバイスに積極活用しようとする流れがあります。一方でナノ磁石は情報を記憶することができ磁気メモリデバイス等への応用が研究・開発されています。これら背景から、光による高エネルギー効率なナノ磁石制御を実現することが次世代の情報処理デバイスのカギになることが期待されます。光は古くからナノ磁石の情報を検出するために使われてきました。偏光を使うことでナノメートルの薄膜の磁気情報を検出することができます。近年、逆に光の偏光を利用することによってナノ磁石を制御するための磁場やナノ磁石を作ることに成功しました(図a)。制御効率(高速性・エネルギー効率)を上げるためには材料物理、光物性、プラズモニクス、光渦等の融合が重要です(図b)。本事業を通した学際研究を通じて、光による新規高効率ナノ磁石制御手法を開拓していきたいと考えています。また上記研究だけでなく、他分野研究者との共同研究の機会があれば、これまでの研究の知見を活かした計測、センサデバイス等のものづくり等にも挑戦していきたいと考えています。この機会を通じて視野を広げ、研究者としてさらなる成長を遂げたいと考えています。