July 24, 2024

2024年度TI-FRIS社会インパクト講座のお知らせ

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TI-FRISでは、学際性、国際性、および 社会性を兼ね備えた世界トップクラス研究者を育成するためのプログラムを提供しています。若手研究者の社会性(社会と連携して研究成果を社会実装できる力)の強化をサポートする取り組みの一つとして、研究が社会に及ぼしうる影響について多角的に構想し、他の関係者に伝え、実装を目指し多様な関係者を巻き込むスキルの修得を目指す「社会インパクト講座」を開催しています。
 
2024年度は、東北大学病院臨床研究管理センターの臨床研究講習会を社会インパクト講座と位置付けて開催します。臨床研究講習会で扱う研究倫理の問題は、研究と社会の関係性の問題でもあります。人を対象としない研究や倫理委員会の承認を必要としない研究においても、その社会性を認識するためには、研究を社会の中に位置付け、社会に与え得る影響について考えることが重要です。
 
研究と社会のつながりを認識するためにも、ぜひ参加ください。

視聴方法:

東北大学病院 倫理審査申請システムに「2023年度第2回臨床研究講習会(倫理申請講習会・臨床研究ライセンス)」として掲載されています。以下のURLから東北大IDでログインしていただくことで視聴できます。

https://www.rinri.med.tohoku.ac.jp/esct/


第6回「改めて基本から考える研究倫理」
伊吹 友秀 教授(東京理科大学 教養教育研究院)


研究不正や倫理教育、さらには被験者保護など、日々のニュースなどで研究倫理が問題になることは多岐にわたっている。本講演では、こういった研究倫理を取り巻く複雑な現状について、多忙な中では見落とされがちな基本的な事柄から改めて考え直し、見つめ直していく機会を提供したい。


第7回「データの信頼性と研究倫理 -論文の批判的吟味も踏まえて-」
小早川 雅男 准教授 (福島県立医科大学  医療研究推進センター)


人を対象とする研究を実施するにあたっては、(研究を行うという)行為や結果が研究対象者に与え得る影響が考慮される必要があります。その上で、その倫理的妥当性や科学的合理性が倫理委員会によって審査され、承認さなければなりません。研究対象者からデータの提供受ける場合、インフォームドコンセントの取得が必須ですが、データの目的外利用やオプトアウトの機会が与えられていない場合、研究対象者に対して様々な不利益が生じる可能性があります。また、結果に誤りがあり、それが捏造や改ざん等の悪質な不正ではなく、故意のものではなかったとしても、論文として発表されたり、その結果を基に指針や施策が作られた場合、社会への悪影響は避けられません。この講習会では、研究の倫理違反と不正(倫理的妥当性と科学的合理性が損なわれるケース)が社会に与える影響について学ぶことができます。


問い合わせ先:
TI-FRIS事務局コーディネーター
藤原英明、児山洋平
ura*fris.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)